スポット
【音声ガイド】
永延3(989)年のころ、源頼光の家来、碓氷貞光(うすいのさだみつ)が越後から木の根峠を越えて日向見で夜を明かすことにして、谷川の音に心を静めて一晩中お経を読んでいました。夢の中に現れた一人の童子から「あなたの読経の真心に感心し四万(よんまん)の病気を治す温泉を与えよう、われはこの山神である。」と神のお告げを聞き、目を覚ますと枕元に温泉が湧き出ていたという伝説が あります。このめでたいしるしに感じ、お堂を建てて本尊の薬師如来の像をまつりました。この薬師様は病気を治す為に温泉に来る人から「湯前薬師」と敬われ昔から沢山のお参りがありました。
現在の堂は慶⾧ 3 年(1598 年)に当時の領主「真田信幸(信之)」の武運⾧久を祈願して建立されました。また、天井に描かれた龍は複数の小さな足があり、一説では「ムカデ」から想像されたとされています。ムカデは武神である毘沙門天の使いであるうえ、前進しかせず不退転として武将に好まれていました。
明治 45(1912)年に国宝に指定されましたが、昭和 25(1950)年の法律改正によって国指定重要文化財となりました。県内最古の木造建築でもあり、関東地方では数少ない貴重な建物です。
現在、薬師堂にはしゃもじが奉納されていますが、これは「救われる」という意味と「食べる物に困らない」という願いが込められています。
コメントを投稿する